緑ノ刹那

『フィリと誰かが喋ってるぞ』


『え!?』


バルドを押しのけ、街の通りを窺い見るリーフ。

(最近、性格が………)

何となく遠い目になる。
王らしくなったといえばそうなのだが。

複雑な護衛ゴコロである。







フィリアは、街で何か商売をしているらしい青年と談笑している。
なかなかに爽やかな青年だ。


(何を話してるんだ!?)

リーフとバルドは聞き耳をたてた。
しかし、場所が悪いのか、話の内容は途切れ途切れにしか聞き取れない。


『…が……も…の事好きだから、…真剣に…えて欲しいの』

『う…勿論だよ』


(好き!?
真剣に考える!?)


愕然とする。

もう少し近くで話を聞こうと、リーフは進み出ようとしたが、フィリアはすぐに立ち去ってしまった。




しかし。

逆にリーフには、これはチャンスだと思った。


今度は堂々と、青年に近寄る。
バルドも仕方なくそれに続いた。


『ちょっと、そこの人。
少しいい?』


『はい?』


笑顔で振り向いた青年は、リーフ達の姿を見て目を見開いた。


『リーフ様!!
それにバルド様も』


二人とも、民から絶大なる人気と親愛を得ている。

よく城を抜け出し、街に出ていたためだろう。


リーフはなんだか黒い笑顔のまま、青年に聞いてみた。


『ねぇ、フィリアと何話してたんだい?』