緑ノ刹那

『ふざけないで』


フィリアの静かな怒りの声が、その場に響いた。


『契約しない?
じゃあ、今までのクレイの努力や、ファイの葛藤と死、そして私の存在は無駄になるのね?


――資格が無いっていうなら、これから自分を磨けばいいでしょう!?
私は、貴方が売り言葉に買い言葉で契約すると言った事なんて、最初から知ってるわよ。


それでも、いいと言ってるの!!
貴方ならそんな自分の間違いに気づけると思ったから、私は勝負を受けたのよ。

それを、資格が無いから契約しない?
そんなの、自分に甘えてる子供の考えよ。
――あまり、軽蔑させないで』


――そう
全部、知っていた。

それでも、許した。
手を伸ばす事も、足掻く事も。


それで変わらなければ、ただの愚か者だ。


だが、リーフは。
求めていた答えとは少し違ったけれど、自分が手に入れた物に溺れず、自らの間違いに気づき、正した。



――それだけで、傍にいる価値がある。




(だから、私は―――)


フィリアは自らの手首を歯で噛みきり、リーフに近寄った。

気圧されて、リーフは後ずさる。

構わず、リーフを壁際まで追い詰めると、その顔に向かって手を伸ばした。




(――殴られる)


そう思って

リーフが目を

閉じた。