緑ノ刹那

しばらくして、フィリアは帰ってきた。


フィリアがいなくなってからも、リーフ達はそこを動かず、誰も何も話さなかった。



『もういいの?』


こちらに近寄ってきたフィリアに問いかければ、どこか吹っ切れた様な、それでも痛みを僅かに孕んだ笑みが返ってくる。



『うん、終わったから。


――じゃあ、契約の儀式を始めましょうか』


『いいや。
契約はしない』


リーフの返答に、フィリアの双眸が見開かれた。



『……何故?』


『僕には、その資格が無い』


リーフは、キッパリと言った。

尚も、続ける。


『フィリとファイの戦いを見て、思ったんだ。
僕は、何も考えないで、ただファイと張り合う為に契約したいと言った。

でも、それは間違いだ。

二人の話を聞いて、初代の思いや、ファイの無念、そして、君の傷を知った。


――僕には、君の力を借りる資格なんて無い』