おさななじみ






千尋を見送って、リビングに戻ると陸玖もりんごを食べていた。





「そんな顔して、どした?」




「千尋、帰っちゃったから。」





千尋にちゃんと逢ったの、久しぶりだったんだもん。





千尋は部活してるから、朝は早いし夜は遅いんだもん、だから逢えない。





「海美は千尋が大好きだからなー。」





陸玖が自分が食べていたりんごを私に食べさせた。





甘い。美味しい。





「海美は千尋離れも必要だな」




「千尋から離れるなんて嫌。」





千尋の傍にいたい、だって千尋の傍にいると優しくてあったかい気持ちになれるから。





「ったく、可愛いな。海美」




「可愛いくないよ、本当は陸玖離れも千尋離れも必要だってわかってるのに。」





私はもう高校2年生だもん、いい加減ずっと陸玖と千尋に甘えちゃダメって知ってる。





「ごめんね、陸玖。ダメな妹で。」




「いいよ、そんな妹好きだから」




陸玖が優しく笑ってくれた。





「ほら、英語するんだろ?早くしないと眠くなるぞ。」





そうだ!明日の英語しなきゃ!





結局、英語を陸玖に教えてもらいながら英語プリントを完成さした。