「陸玖、海美、ご飯よー。」
下からお母さんの声がする。
あーぁ、やっぱり今日も寝る前に宿題になっちゃった。
眠いから、早く終わらせておきたいんだけどな。
「海美、行くぞー。」
まぁ、しかたないか。
家族との団らんも、大切。
下におりると、机にはシチューが並んでいた。
「海美、コップ並べて」
「はーい」
その間に、陸玖は椅子に座る。
「お父さんは仕事?」
「うん、だけど食べてる途中で帰ってくるかもね。」
お父さんは、営業マンで営業課の部長。
優しくて、私に甘い過保護なお父さん。
お母さんは専業主婦。
だけどたまに、料理教室を開いたりしていてお母さんの料理はすごく美味しい。
こんな家族が私は大好き。
「海美、醤油とって」
「はい、醤油。」
そんな団らんの時間に玄関のチャイムが鳴った。
「お父さんかも、海美出て」
「わかった」
食事をやめて、玄関まで行った。
玄関を開けると…
「あっ、」
「こんばんは。」

