グリーングリーン

そうこうしていると電車の窓の外が見慣れた風景になっていた。どれだけ考えてもかすりもしない。大体、あんなお兄さんに会ったら脳みそに嫌というほど刻み込まれる。

また会いたい。あのお兄さんに。

お兄さんのニヤニヤヘラヘラした顔を何となく思い出してみる。

ぞくぞく。

………っとした。

「何ニヤってんだよー…きもちわりー…」

いつの間にかみっちゃんが不審者を見る目で私を見てる。なんだかその視線に侮蔑の念が込められてる気がして、私はそりゃあもうカチンときた。

「くらえ!3年殺し!」

みっちゃんが立った瞬間、渾身の力を込めてローブローを食らわした。

「くあっ…」

小さな断末魔を残し、股間を抑えながら、その場に崩れ落ちた。

「みっちゃん、着いたよ」

みっちゃんは動かない。ぶざまなみっちゃんを嘲笑って私は一人で電車を降りた。電車は無情にも扉を閉め、芋虫状態のみっちゃんを乗せてまた次の駅へと走り出す。

「私に逆らっちゃだめでしょ、みっちゃん」

ふふんっ鼻で笑って私は一人桜の宮駅を後にした。