グリーングリーン

みっちゃんはみっちゃんでいてほしいから。できることならこのまま冷凍保存したい。みっちゃんはみっちゃんのままで。とにかく変わらないでほしかった。

私に見せる少年らしい笑顔。

きっとそれは今しかできないんでしょ?

「わかば、あの家めっちゃ豪華」

みっちゃんが指をさした断崖絶壁の上にある、オシャレな一軒家。外壁の色も窓の形や配置も、かなり凝ってるように見える。何もない海岸沿いには少し異色だ。

「俺もあんな家に住めるかな」

キラキラした目。いい気なもんだ全く。

私はあんな悪趣味な家、間違ってもごめんだよ?

「みっちゃんみっちゃん。行くときにさぁ、出会ったお兄さん面白かったね」

「なんか初めて会った気がしないんだよね、俺は」

え?本当に?

どっかで会ったことある気がするとかなんとか言いながら、考え込みだすみっちゃん。鳥肌立つ私。

「私も!」

帰りの電車の中では、二人ともそのことについて、延々と考え込んだ。