私も負けじとぽちに手を差し延べる。ぽちはくんくんっと、匂いを嗅ぐと何もせずにじっと私の顔を見た。ぽちの頭をそっと撫でた。少し固めの毛の感触とぽち自身の暖かさが手の平に広がった。その瞬間、こんな愛らしい生物はいないなぁ、と思えた。耳を触ると今度はやわっこい感触が、私を痺れさせた。
「私、ぽち飼いたい」
「どうやって持ってくんだよ。こいつきっと飼い犬だよ。つやつやしてんじゃん」
「そっか…」
ちょうど電車も来そうだったから泣く泣く手を離す。ぽちはうるうるさせた目だけで私を追うけど、そこからは動こうとしなかった。
ぽちは誰かを待ってるんだね。きっと大切な人なんだね。あぁ、わかるよ、ぽち。ぽちは希望を持ってるんだ。
「ばいばい、ぽち」
ぽちの大切な人が死んでしまえばいいのに。
人に期待するばかなぽちに大いなる絶望を与えたかった。
「いい海だったなー」
隣で悠長に過ごすみっちゃんにも大いなる絶望を………でもみっちゃんはいいや。
「私、ぽち飼いたい」
「どうやって持ってくんだよ。こいつきっと飼い犬だよ。つやつやしてんじゃん」
「そっか…」
ちょうど電車も来そうだったから泣く泣く手を離す。ぽちはうるうるさせた目だけで私を追うけど、そこからは動こうとしなかった。
ぽちは誰かを待ってるんだね。きっと大切な人なんだね。あぁ、わかるよ、ぽち。ぽちは希望を持ってるんだ。
「ばいばい、ぽち」
ぽちの大切な人が死んでしまえばいいのに。
人に期待するばかなぽちに大いなる絶望を与えたかった。
「いい海だったなー」
隣で悠長に過ごすみっちゃんにも大いなる絶望を………でもみっちゃんはいいや。

