グリーングリーン

車掌さんがまるで私達に直接言うように、次の駅の名前を車内アナウンスで伝える。平日の昼間とはいえ、こんなに人が乗ってない電車は初めてだ。このままどこか知らない異世界に連れ去られてしまいそう。

そう考えると、体中から変な汗が尋常じゃないくらい沸いて来て、今すぐ電車から降りたくなった。

初めてのことや知らないことは嫌い。

知ればなんともなくなるのに、知るまでが怖くて怖くてどうしようもない。

だから、きっと私は知らないものが歩み寄ってきてくれない限り、ずっとずっと狭くて何もない世界をぐるぐる徘徊してるんだろう。

多分それが幸せってこともある。

私は幸せが何なのかわからない。でも何となく知らないことって幸せな気がする。だから、当面はそれを幸せとして生きていくしかない。

私って、生きながら死んでるのよね。

リビングデッドってまさにこのことだわ。