満月の銀色ススキ

ススキを見送った後、望月はその場にうずくまった。

急に視界がぼやけたからだ。
カタカタと肩が震える。

体温が奪われるのは雨の所為だけではなかった。


「早く…戻らなきゃ…」


なんとか立ち上がって家の中に入る。

望月は家の廊下に倒れた。
短く呼吸をする。

雨に濡れた望月から、ポタポタと水滴が零れ落ちた。


(まだ、時間はある…大丈夫。大丈夫…)


言い聞かせながら、呼吸を繰り返す。

ぼんやりと意識が遠退いていく。
望月は目を伏せた。

それに促されるように意識が途切れた。