ジリジリと蝉が鳴く。
陽に肌を焼かれるのに拍車がかかるようだ。
ススキは樹の上で、陽炎が立ち上る道を見ながらそう思った。
秋晴れの青空。
白い雲は流れるように空を滑る。
ぼんやりと、それを見ていたススキはふと躰を起こした。
「よぉ」
向けられた声に顔を向けた。
「よぉ、西の」
ススキは見知った男に口角を上げた。
ススキよりも色素の薄い白銀の髪。
瞳は、水のように透き通った灰色。
それらを兼ね備えたのは、西の果てで最も力のあるアヤカシだった。
「今日は何の用だ」
そう訊ねれば、面白そうに男は笑った。
陽に肌を焼かれるのに拍車がかかるようだ。
ススキは樹の上で、陽炎が立ち上る道を見ながらそう思った。
秋晴れの青空。
白い雲は流れるように空を滑る。
ぼんやりと、それを見ていたススキはふと躰を起こした。
「よぉ」
向けられた声に顔を向けた。
「よぉ、西の」
ススキは見知った男に口角を上げた。
ススキよりも色素の薄い白銀の髪。
瞳は、水のように透き通った灰色。
それらを兼ね備えたのは、西の果てで最も力のあるアヤカシだった。
「今日は何の用だ」
そう訊ねれば、面白そうに男は笑った。