満月の銀色ススキ

それからほんの少し、話しをした。

お盆で一週間だけ帰ってきたこと。
帰ってきたのが半月振りだと言うこと。

実家があまりにも変わらなくて嬉しかったこと。

殆どを、望月が話していただけだった。
だが、ススキはそれを拒む訳でもなく、相槌を打って聞いていた。


「…ねぇ、ススキさんの話しが聞きたい」


「俺の?」


躰の火照りも消えた頃。
帰り道、話題の尽きた望月はススキに言った。

ススキの声音は、自分に振られたのを酷く驚いているようだった。

そんなに意外だっただろうか、と目を瞬かせて思う。
ただ、表情を窺い知れない状況では、悟ることも出来なかった。