いまこの河の流れを
ここで塞き止めることよりも
あの時の
気持ちのままでいることのほうが
きっと
難しかったろう

君の手をいつまでも
握りしめていたかったけれど
所詮
それは無理なはなしだった

君の名前はずっと忘れずにいたかったけれど
僕は
いつしか
思い出せなくなっていた

いま
ここで
僕が
願ったとしても

あの日に戻れるわけもなく


だけど
それで
よいのだろう

あの日は確かにあったのだから

あの日も僕は今日のように

こうして
不器用にも
生きていたはずだから