『ご飯食べたら早く用意して学校行ってよね。もうすぐ裕一が家に来るから。』 『……うん、わかってる』 テーブルの上に置かれた皿の上の食パンを勢いよく口に詰めこみ、家を出る。 “西高校”と書かれた門を見つけると、足どりが重くなる。 『竹本さんと関わったらやばいらしい』 『竹本さんのお母さん、毎回違う男連れて街歩いてるよ』 同じ制服を着た同級生が私の前を通りすぎながらいつものように噂を囁く。 そんな噂はもう慣れっこ。