…そうなんだ。 ナルはこういう奴なんだ。 自分の思ったことははっきりと口に出す。 時々ぐさっとくるようなことも言うけど、それでも…それでも俺はそんなナルをちょっと羨ましいと思うことがある。 俺が黙っていると、ナルは大きな目をぱちぱちさせながら、 「どしたの平井?」 と俺の顔を覗き込んだ。 「…いや別に…だけどナル…藤沢市は田舎じゃねぇっっ!」 俺は机をどん、と叩いて言った。