はるか東の空は、明るく輝いていました。
北とくらべますと、空気も暖かく、とても暮らしやすいところでした。
 六等星ははるばる北からやってきて、茜色に輝く水平線に、太陽を見つけました。
 目がくらむほどの強い光の中で、六等星は言いました。
「そちらにおわすあなた様は、あまねく命の神と讃えられた太陽の神様ですか」
「誰であるか、私を呼ぶのは」
 太陽は燃えるような熱さを放ちながら、傲慢につぶやきました。
 六等星はいよいよ自分の願いを打ち明けました。
「私は北の空から参りました、六等星でございます。噂によればあなた様が私の願いを叶えてくださると聞き、ここまでやって参りました。いかにすれば私が一等星のように強く大きく輝くすべがありますでしょうか。それだけを求めてきたのでございます」
 六等星の言葉に、太陽はあざ笑うように言いました。
「ははは、何を言うのかと思えばお前が一等星のようになると? 馬鹿を言うでない。お前にはすでに天からたまわった光と天命がある。ただそれを全うすればよいだけの事」
 太陽の神様にそう言われた六等星は、それでも必死にお願いしました。