「蒼!。」
「心ー。次体育?。」
そんな私は、中学2年生、香村 蒼(かむら あおい)。
親友の、安藤 心(あんどう こころ)。
「うん、バレーボールだよ。」
「よし!」
「蒼は部活だもんね。いいよねーバレー手痛くなるしさ。」
「慣れればいけるよ。」
「聞いて!さっき蓮がすごく可愛かったの!」
「うそ!?。いいなー…。」
「上目遣いでね、すごーく可愛かった。」
私達の中では蓮は”可愛い”って事になっている。
実際すごく可愛い。
彼女いるんだろうけど、聞けないでいる。
「そういえば蒼さ、」
「ん?。」
「蓮とメールしないの?。」
「えっ?!。」
「仲良いんだし、しないのかなーって。」
「え、無理無理!。聞けないって!」
確かに…メールはしたいけど…
メアドなんて絶対に聞けないし…
「そんな事より、心こそどうなの?!」
心には、今好きな人がいる。
事実、心の好きな人も、心の事が好き。
だから、いつ付き合うか、っていう問題。
私はまだそんなところまでいった事がない。
告白した事もなければ、された事もない。
好きな人がいた事はあったけど、
中学に入ってからは恋愛なんてしていなかった。
「んー…まぁ相変わらずかな…。」
言っている言葉とは裏腹に、顔は笑顔。
「いいなー。」
私も、恋愛したいなー。
そう思った時、
頭をよぎったのは蓮の顔だった。
