「お母さん?!おかあさん!」


お母さんと大声で呼んだ。


あの日みたいに…。

あの時のお母さんみたいに…。



「うるさい。私はあんたのお母さんじゃない。」




私、ガクンとなった。


なんで?あさ、おはようって…、笑顔で…。

言ってくれたじゃない…。
なんで…?あなたは私のお母さんでしょ?


お父さんも、お兄ちゃんも、焦っているようだ。



「っそ。私だって…私だって…。」


『あんたを生むんじゃなかったわ!!』



「あんたに生まれてきたくなかったよっ!!」




ポタッ



これが、久しぶりに流れた涙だった。





ばたん



私は、泣きながら家をでた。


…今日は嫌な日だな。
お母さんの事も…。

寮のことも…。




自然とたどり着いたのは、公園だった。


公園といえるほどの広さもなく、ただの空き地のようなものだ。





ぶらっ


ブランコなのってみると、微かにサビの音が聞こえた。





「なぁ。そこのねぇちゃん」



私かな?と思ったが、私以外はいないだろう。


「はい。」


振り向くと、若い男がいた。