頼むこと事態無理だったんだ。

あんな家に帰りたくない!だなんて言ったって…。このじいさんにはなにも…


「できる」



たくましい顔で、頭を下げるわたしにそう言ったのは紛れもないさっきのじいさん。



「へ!!」

嬉しさと驚きで声が出なかった。




「しかーし!!」



今度は渋い顔になったじいさん。この人の顔は忙しいな…




「すむところはこのキューティーー!!」



キューティー??



「どこですか。それ?」


「ほらほら目の前にあるじゃないか。ピンクの綺麗な建物が。」



目の前にあるピンクの建物…。


もしかして…。



「ちょっ?!わたしラブホに住むの?!」



そう。キューティーといえばこのラブホだ。



でも…ラブホに住むなんて…。

第一お金かかるじゃん。



「まぁ、ラブホに住むのには抵抗があるかもしれんが、家賃は無料だ。しかし、ラブホで働いてもらう」



厳しい条件つきだが、私は頷いた。



…あんな家には帰りたくないから。



そうして、私はラブホにすむことになったのだ。