それから1週間という時が過ぎた
「拓海、明日から抗がん剤治療と放射線治療が始まるんだって?」
「はい。っていうかその“拓海”っていうのテレますね」
お母さんの言う通りあたしは拓海と呼ぶことにした
「ははっ拓海可愛いー!」
「可愛くないですよ!」
拓海の顔は真っ赤だ
そして先生の本格的な治療が始まろうとしていた
「愛、言いたい事があるんです」
拓海はあたしの頬にキスをしながらそう呟いた
「何?ちゃんと聞くよ」
「そのこれからの事なんですが…どうするつもりなんですか?」
「その事なら大丈夫だよ。先生の家でね、雇ってくれるんだって」
「本当ですか!?…事務仕事ですよ?」
「あたしをナメもらっちゃ困るよ!」
「本当ですか?」
こういう会話がとても嬉しい。
3ヵ月後に死ぬような人には見えない。
その日の帰り道、あたしは神社で願い事をして帰ってきた
願い事はもちろん
“拓海が死んでしまう運命ならば限界まで拓海を生かしてください。赤ちゃんが生まれるまでは…”


