「別に隠してるつもりじゃなかったんだけどな」
「でも…苗字違う…」
そう、保健の先生は“秋原”
先生は“五十嵐”なのだ
「だって結婚したからな」
だからって顔似てなさすぎ…
「それより本題だ。子供を産む?産まない?」
あたしは先生の隣のイスに座った
そして先生はあたしの手を握っている
「愛は…どうしたい?」
先生はあたしの目を見つめた
「先生あたし…産みたい」
「私もです」
「まぁだろうな。でも五十嵐さん…ってのも落ち着かないから愛ちゃんでいい?」
「もちろんです」
「じゃあ明日2人で産婦人科行ってこい」
「はい」
先生はとても嬉しそうだ
それはあたしも同じ。
あたしの体に小さな小さな命が宿った


