僕のお姉ちゃん

一体、何があったのか。


俺が尋ねるより先に、姉貴が口を開いた。



「あのね、私、出所してから行くところが、なくて」

「・・・・・・うん」



俺に何も教えず、姉貴を捨てた、放棄した両親の顔が浮かぶ。

怒りが、込み上げてきた。


無意識に震えだした手の上に、そっと春が、右手を置いてくれた。



「それで、風俗の、お店で、雇ってもらったの」



姉貴はどこかたどたどしく、怯えたような、妙に落ち着いたような喋りで、出所から今まで何があったのかを話してくれた。