しかし意外にあっけなく、 桜の花びらは俺達の手に収まった。 漫画みたいだと、春は言った。 「あ、すいません・・・・・・」 「え?」 「・・・・・・え、!?」 桜並木を、春と並んで歩いていた。 お花見にきた家族や恋人たちで、少し気を抜けば迷ってしまいそうだった。 そんなとき、俺は深々と帽子を被り、かなり急いでいるような、何だか雰囲気の違う女性とぶつかった。