夕暮れ

昇は
少しうつむいて
何かを考えてるような
微妙な顔をしていた。


「わかったよ」

そう一言言うと
俺の胸に頭をつけた





サラサラの髪が
重力に逆らえず
サラッと
音が聞こえるかのような
錯覚を覚えるほど
しなやかに動いた。


俺は
思わず髪を触ってしまった。


その時
部屋のどこかで
昇の携帯が鳴った。


「携帯なってるぞ?」

俺が
少し周りを見渡しながら言ったら



「猛…あした、どっかいこっか?」

と、言われ。

俺の質問の答えは!?
と思いつつ


「いいけど…起こしてくれよ?」

と、答えてしまった。