夕暮れ

「え?」


「だから好きじゃないって言ってる。誰でもよかったんだよ、付き合う女なんて」


「何だよそれ…酷くない?」


「酷いのは猛だろ?俺の気持ち知ってるくせに、第一俺があんな女好みだとでも?」


「どういうことだよ」


「周りの男をとっかえひっかえして、貢がして馬鹿にして笑ってるような女なんだょ」

手を机に
ドンっと置いた

衝撃で昇の置いた缶コーヒーが倒れた

慌ててティッシュを取り拭く

白いティッシュは
瞬くまに
茶色に変わり
ずっしりと重くなった


「何やってるんだよ。昇らしくない」

ため息混じりに言った



「ごめん」

新しいティッシュを手に取り
昇は立ち尽くしていた



「昇さ。。。お前俺のこと好きなの?」


「うん」

「おれは、昇に好きな女が出来たんだと思った」

「ごめん。」


「俺も悪いかな。あいまいな態度とってさ…」

茶色に染まったティッシュを
ごみ箱に捨てた



昇のことは

大切だし

好きだし

失いたくないけど




やっぱり
昇が
俺を好きだという事実は
受け入れがたかった