「本当は俺、ここに平井と来る予定はなかったんだぞー…。」 今、俺たちは、藤高一般入試合格発表を見に来ている。 「…悪かったな。」 「…もうすぐか…。」 ハルトがそういった直後、体育館の入り口が開けられた。 鼓動が急に早くなったように感じる。 あぁ、そうなんだ、本当に――… 「あの中に…あるんだよな。」 「…そうだな。さーて、見に行くか。」 ハルトがにっ、と笑う。 俺は、制服の胸ポケットをとん、とたたいた。 中には、あの日ハルトからもらった手紙が入っている。 「…おう。」