…ここで少し説明。




藤高こと県立藤沢高等学校は、俺たちの家から自転車で20分という距離にある、県で3番目くらいまでには入る進学校だ。




でも、俺たちが進学率の高さを理由に、そこを志望しているかといえばそうではなく…




「また平井とダブルス組みたいな。」




…そう。




目指すは藤高のテニス部で、2人でダブルスを組むこと。




ハルトが第一志望校を変更したことで不可能となった夢。




また可能性が見えてきた。




俺は嬉しくなって、




「うん!」




と子供みたいに頷いてしまった。