そんなことを思いながら北斗を見ると、


「帰るぞ」


と私の手を取った。


「功希さん、コイツ貧血なんで連れて帰ります」


北斗はそう言うと手を繋ぎ、女の子達の間を抜けて歩いた。



視線が痛くて下を向いたままの私に、


「だから行かねぇっつったろ?」


小さくため息をついた。



それは、あの功希さんのことを考えてなのか、女の子達のことを考えて言ったのかはわからない。


けど、どっちにしろ北斗の優しさだと思った。



「ありがとう…。ごめんね…」


砂浜を歩きながら、素直にそう言う私に驚いて足を止めて、


「気持ちわりぃ…」


北斗は呟いた。


「…てか、私…、貧血じゃないけど?」

「あ?女はだいたい貧血だろ?」


私の言ったことにそう答えて、また歩き出す。


「変な子……」


口ではそう言ったけど、そんな意味不明なことを言う北斗を、なんだか愛おしく思った。