まるでアイドルじゃん、と妙に感心したけど、少し寂しくなって私は海くんの元へ行った。


「北斗、人気者っしょ?」

「うん、ビックリした」

「まぁ、北斗がこういう場所に来るの珍しいんスよ」


海くんは笑顔でそう言いながら、私に缶ビールとオレンジジュースを差し出した。


オレンジジュースを受け取った私は、北斗のことが少し気になって見たけど、


「そうそう!」


と私に話し掛ける海くんに視線を戻した。



しばらく喋っていると、


「何?海の女?」


海くんより年上らしい人が近づいて来た。


「いえ、違うっス」


海くんがそう言うと、私の顔を覗き込む。


「お!かわいいじゃん!!」


そんな声にまた1人こっちにやって来て、


「何?どうした?」


と私の前に立った。