「だから北斗と仲良くしてやって下さい。意外といい子なんで…」


そう言って、また麻衣は微笑む。


「“いい子”ねぇ…」

「里緒菜さん、一人っ子でしょ?かわいい弟ができたと思って…」

「あれのどこがかわいいの!?」

「顔は結構かわいいですよ?」

「顔だけね」



そんなことを言いながら、北斗のことを考えていた。


もしかしたら、北斗も私のように寂しい想いをしてるのかもしれない。



なんとなく似てる境遇で育った私と北斗。



明日からはもう少し優しく接してあげようかな…、なんて思った。