今日のあたしは幸の攻撃にも屈する事は無い。道はあたしの後に出来るのだ。

         ★

校門の前で、あたしは、今朝の彼を待ち伏せした。


運命的に出会ったとは言え、それ以降は、自分の努力が物を言うのであろう。


あたしは、その信念を曲げる事無く、下校する生徒達の好奇の目を気にする事無く、ひたすら、今朝の王子様が出てくるのを待ち続けた。


「あ…」


来た。


しかも一人だ。


あたしは、全く躊躇う事無く、彼に、目一杯の媚を作り、いかにも偶然を装って彼に話しかけた。