「あ…」


爽やかな微笑みが、あたしの心に突き刺さった。


爺の言っていた、運命という単語が、頭の中で、ぐるぐると廻り、目眩がしそうだった。


「あの…」


あたしは思わずその男子に声を掛けてしまった。


「はい、何か?」


あたしの視線と彼の視線が絡みつく。


あたしは、ぼうっと彼の顔を見詰めてしまった。


そして彼はにっこりと微笑むとヒップホップ野郎を引きずって、あたしたちの前から立ち去った。

「…い…おーい」