そして、その体制のままあたしは弟に訪ねてみた。


「ねぇ、あんた、確か彼女居たよね?」


「あ~う~」


「あんた、どうやってその子に告白したのよ」


「あ~う~」


「やっぱり手紙かなんかでしたの」


「あ~う~」


弟は黙秘権を行使しているらしい。


あたしの問いには全て妙な呻き声で答えて、話をはぐらかそうとしている。


「え~い、きっちり答えんか」


あたしはそう言うと弟の首根っこを更に強く締め上げる。


「あ~う~」


弟はあくまでシラを切りとおす姿勢を崩さなかったので、あたしは、ヘッドロックをぱっと外す。