それが出来るなら、あたしが嫌がってるっ言う事も察しろよ幸!そういう訳で今回もあたしの負け。あたしは幸の実験台決定の立場を、あまんじてゲットする事となった。

         ★

「さて、今回の装置の特徴ですが…」


放課後の教室で幸は、黒板に向かって専門用語だらけの課外授業をやってのけたが、あたしの耳は、その説明を、右から左に受け流すだけの器官となり、情報をプールする事は出来なかった。


「ごたごたと説明しましたが、早い話が、この前現れた方々の処に向かって精神だけを送り出す装置と言う事です」


…はーい質問


「なんですか貴子さん?」


「ひとつ聞きたいのは、そんな事して、自分の体に戻れなくなるなんて事は無いの?」


何となく気まずい沈黙…