「これ、貴子、話の邪魔をするでない」


爺があたしを宥める様にそう言うと「そうですよ貴子さん」と、幸までがあたしを邪魔者扱いの発言をする。


「な、なによ、爺、幸に存在がバレちゃったじゃない!」


あたしが慌てて爺に食って掛かるが、爺は、あたしの事など、どこ吹く風で


「いやぁ、話してみると、中々の好青年でのう、すっかり意気投合してしまってな。こちらのお嬢さんも、是非呪術の手ほどきを受けたいとおっしゃってな」


「な…って…」


あたしはそう言ったっきりで二の句が出てこなかった。あたしが失神している間に、皆、仲良くなってしまったらしい。


「わ、若様ぁ…」


あたしは若様に向かって必死に縋りついたのだが…