頭の中で、ぷつんと何かが切れた。


「ま、まて、貴子、話せば分かる。これ、年寄りに乱暴を、これ!」


爺の悲痛な叫びが空に響いた。


「あ”―――――――っ」

         ★

「おーっす」


あたしは今日も科学室の扉を元気に開く。


もう、すっかり部員に成ってしまった今日この頃だ。


幸は相変わらず何か得体の知れない実験をしようとするので止めに入るのが大変だ。


又、科学室を破壊したら今度こそ何が有るか分からないからな。


どたばた騒ぎの毎日は充実して過ぎて行く。


そして思った。


この居心地の良い時間が何時までも続きます様に―――


知られざる月の館 End