「はいそうです」


「誰よ、具体的に言ってみなさい」


「はい、ターゲットは宗一郎さんです」


あたしは思いっきり脱力した。


「あのな、幸、それこそ勝ち目が無いじゃ無い」


「いえいえ、そこが狙い目です。生徒会長は、まさか、一番自分に近い人物が狙われるとは思わないでしょう。そこを狙って奇襲攻撃です。貴子さんが、恋文を彼に書いて、心を奪って、こちら側の人間にしてしまうんです」


おいおい、幸よ、それじゃぁ、悪徳芸能プロダクションに騙されたアイドル志望の女の子みたいな扱いじゃぁ無いか。


却下だよ却下!


「さいわい、宗一郎さんは女性を大事にする人物だと言う情報が入っております。貴子さんなら警戒心を掻い潜って彼の懐に潜り込めるものと思われます」


え~い、何と言われても却下だ却下!