「当たり前でしょう。文書で言うだけなら誰でも出来ます。しかし、実体を確認するのは、生徒会長たるわたくしの責任でも有りますからね」


あたしは心の中で『うわ、やっべー』と叫びながら幸の表情を見たが幸は全く持って気にしている様子は無く、のほほんとした表情を崩す様子は無かった。


「じゃぁ、生徒会長様、今日の実験を、ゆっくりと御覧下さいませ」


おい、幸、何を言い出すんだ。


相手は堅気の生徒会長だぞ。


怪しい実験に巻き込むのは、少し、酷ってもんじゃぁ無いのかい?


しかし、幸は、全く姿勢を崩さない。


それどころか、特等席とか言いながら椅子をすすめたりなんかしている。

「じゃぁ、改めて実験を開始致します」

幸がそう宣言すると同時にあたしを紀美代が後ろから羽交い締めにする。


あたしは、やっぱり実験台は嫌なので、じたばたと抵抗を試みるが紀美代は羽交い締めのコツを掴んだのだろうか、あたしは全く逃げる事が出来ない。