感方恋薬-知られざる月の館-

「そのうち紹介してよ、あんたの彼女をさ」


あたしは、そう言いながらソファーから立ち上がり弟の頭をぽんぽんと叩いて自分の部屋に向かって歩き出した。

         ★

「大人の対応…のう…」


爺はあたしをジト眼で見詰めながら、部屋の中を、うろうろと歩きまわった。


「なによ、これが大人の対応でなくて何がそうだって言うのよ」


あたしは爺に向かってちょっと毒づいて見せたが爺は年の功、あたしの言い分をあっさりとかわして見せた。


「本当に大人であれば、自分の肉親の目出度い事にちょっかい出すなど、考えられんわい」