気が付くとあたしは学校の屋上で風に吹かれていた。


なぜ、こんな処に来たのかよく分からない。


一応、お約束と言う事で、御理解願いたい。

もう直ぐ夕暮れだ。


闇と光の世界の狭間に現れる「魔の刻」あたしは、その世界に自分の身を浸しても良いかなと思った。


ばたん


屋上の扉が開く音が聞こえた。


「た、た、た、貴子さん!」