科学部の部室は全治2ヶ月の重傷だった。


かわいそうな部室は大音響と共に大爆発を起こして、殆どの物が吹き飛んでしまった。


この件で幸は担任や教頭、校長からこっぴどく説教を食らう羽目に陥った。


ただ、幸はこの程度の説教で懲りる奴じゃぁ無いけどね。


以前、幸が言っていたのだが爆発から自分の身を守るには、ちょっとしたコツが有るのだそうだ。


そのちょっとしたコツで爆心地付近に居た、あたし達は、全くの無傷だった。


成程、これが匠の技と言う奴か…あまり身に付けたくは無い技である。


と、言う訳で、幸のあたしに対する妙な実験計画は、うやむやの内に消えて無くなる事となった。はぁめでたしめでたし。


         ★


「かっかっか…」

あたしの話を聞いて、爺は事も有ろうに、大笑いという反応で答えたのだ。


なんてぇ爺だ。


あんたの子孫が命の危機に遭遇したと言うのに、この可愛い子孫のあたしの災難を笑い飛ばして済まそうと言うのか?