「あの、私の様な者で良かったら、是非、お付き合いさせて下さい」


かんこんき――――ん


あたしは頭上で鐘が鳴り響き、その周りを天子様が飛び交う位、舞い上がってしまった。


だって、おっけーの答えだぞ。


あぁ、この世に生れて幾年月、長かったトンネルを抜け出して、やっと、やっと春の気配が訪れたのだ。


あたしは今、幸せの絶頂でくるくると踊っている…踊って……踊って…


「た、貴子さん…」


ぼんやりと幸のアップが見え始めた。


「大丈夫ですか?なんか、うなされてたみたいでしたが」


うなされてただぁ?


あたしは幸の襟首を掴み上げると


「うなされてたとは何だ!折角、旨く行ってたのにぃ」


と、絶叫しながら幸をがくがくと振り回した。