がらがら…


あたしと幸が運命の攻防を繰り広げている処に突然部室の扉が開く音が響いた。


「すみません、遅くなりました」


そう言って、誰かが部室に入ってきた。声の感じから思うに、おそらく女の子であろう。


「ああ、紀美代さん。大丈夫ですよ。今始めた処ですから」


『え――紀美代?』と思った次の瞬間、部屋の中に入ってきた女の子の顔が、あたしの眼に飛び込んできた。


その子は確かに紀美代だった。