「せ、成功しました、貴子さん」


幸は爺に頭からすっぽりと幽霊捕獲網を被せると、頭を持って、自分の首に掛けた幽霊補完電磁籠の中にぽいっと、放り込んだ。


…成功してしまった…


「いやー、良い実験でしたね貴子さん」


額の汗を袖で拭いながら幸はこれ以上は無いって言う位、ぴかぴかの笑顔をあたしに向けた。脇で紀美代も屈託のない笑顔を作り、ぱちぱちと拍手をしている。


あたしは、幸の胸のあたりにぶら下がった幽霊補完電磁籠の中をまじまじと覗き込んだ。


そして思った。


『爺、なにやってるんだ』と。


ついでにつんつん突いてみる。