幸…その、幽霊誘導帽子って、ただの、麦藁帽子じゃぁ無いのか?どう見てもそう見えるぞ。


「更に、捕獲に成功した暁には、この幽霊補完電磁籠に…」


あのな…幸…それ、昆虫採集に使う籠じゃぁ…?


「と、かのように準備万端整えてまいりましたので、貴子さん。今日も御協力よろしくお願いします」


麦藁帽子を被って、虫取り網を持って、首から虫籠をぶら下げて、いざ夏休みの自由研究って子供みたいな恰好であたしのまえではしゃぐ幸に、あたしは何も言う事が出来なかった。


「では、幽霊探知機、スイッチオン!」


幸は、例の幽霊探知機のスイッチをぽちっと押す。同時に甲高い金属音の様な音が聞こえ始めた。