感方恋薬-知られざる月の館-

「いや、何でもないよ。昨日町で偶然会ったから挨拶して居た処だよ」


宗一郎君も、少しビビりがちに生徒会長に答えた。


「そう、もう済んだの」


生徒会長の眼力は、更にパワーアップされた。


黒い紙かなんかに当てたら、ちりちりと煙が吹き出しそうな勢いだった。


「あ、あの、え、ええ、もう済みました。それでは皆様さようなら」


あたしは、慌ただしく一礼すると、脱兎の如く、その場から逃げだした。


あぁ…さようなら、あたしの淡い恋物語。

         ★

人生楽有りゃ苦も有るさ…へーへー左様で御座いましょうとも。最短距離で失恋したあたしにゃ、某時代劇の主題歌も甘く切ないバラードさ。ふんふん…


「姉貴…どうかしたのか?」