感方恋薬-知られざる月の館-

あたしは全身全霊を込めて力説した。


「そ、そうなんですか…」


いかん、彼が少し引いている。


あんまり力説しすぎたか。


おそらく、あたしの米神には青筋が浮かんでいるに違いない。


あたしは、彼、宗一郎君に背を向けると、大きく深呼吸を2回程して、笑顔を整えると再び彼に向ってくるりと振り向いた。


力一杯の微笑みぴかりん。


「あたし、宗一郎君がやめろと言うなら科学部とはきっぱりと縁を切って、正しい人間の道を歩みます」


「…あ…はぁ…が、がんばってください」


うう、がんばってくださいだって。


あぁ、宗一郎様。あたしは今日からあなたの僕です。


どうぞ好きな様に、こき使ってくださいませ。


「宗一郎…」


舞い上がるあたしの後ろから聞きなれない女の声が聞こえた。