「助けて…」


誰かが、助けを呼んでる気がした。
いつもなら、きのせいだろと思う俺…
なのに、今回だけは違った。

「助けに行かなきゃ」

この思いが、全身を駆け巡る。
気付いたら…
自転車を、必死で漕いでいた。
どこから、声がしたのかもわからないまま…
1時間半、こぎ続けていた。
そして…
小さな公園の前で、足が止まった。
恐る恐る、なかへと入ってみる。

「助けて…怖いよ…怖いよ…」


小さな、男の子の声がする。
どこから、聞こえてくるのだろう…
必死で、耳を済ました。
すると…
その声の元は、滑り台の陰から聞こえていることが分かった。
そこに、1歩ずつゆっくり行くと…
小さな男の子が、身をうずくませて泣いていた。
その子の、肩は小さく震えていた。

迷子かな…?

俺は、瞬時にそう思った。
「どうしたの…?」
「怖い…怖いよ…あいつが、来る」
「あいつって…?」
「大が…大が来るんだ」

大…?
なるほど、大って子に脅えてるんだ。
「大丈夫だよ、お兄ちゃんがここにいるから」
「本当!??」
「うん^^」

大って…
どんな子かなー?
怖そうな、おじさん?
体格のいい、男の子?
それとも…
もしかして、お父さんとか!?(笑)
この時の俺の感情は…
大って子に対して、ただの好奇心を抱いていただけなんだ。
大って子に会うまでは…
ただの好奇心だったはずなのに…

数分後…
「怖い、怖い…」
突然震えだす、男の子。
「どうしたの…?」
「あ、あそこ…」
男の子が指でさしたとこには…




カオガツブレタオトコノコ…




キミハイッタイダレナノ…




コワイ、コワイ…