―不可能な共存―

「そいつがどうかしたの?」


「今は俺が質問してるんだ。答えろ」



少女が南條の真剣な表情を見たのは久しぶりだった。



話をそらすわけにはいかない。



「知ってる…」



知らないフリも出来なかった。



テツを売るか、南條にウソをつくか…



少女にはどうしても南條にウソをつく事が出来なかった。



「居場所、わかるか?」


「わからない」



それは本当だった。



でも、それを南條が素直に信じてくれるか、少女は不安になった。



「そうか」



少女は南條ソウタという男をナメていた。



この男は、少女の事を絶対に疑わない。



心底信用しているのだ。



そんな南條を少女もまた信用していた。