―不可能な共存―

コウスケは無表情でスタスタと教室内に入った。



あたしもそれに続いて入る。



軽く全員を見回してみると、ため息が出そうになった。



クラスのほぼ全員ががあたしに興味を示さない。


ものすごく真面目な生徒が1人くらいいてもよさそうだが、このクラスにそれは期待できない。



生徒達は、各自メイクやらメールやら読書(マンガやファッション雑誌)で何かと忙しそう。


たまに音楽の教科書を開いているやつがいるかと思ったら、バッハの肖像画に落書きしているだけだったり。



あんたらさ、ちょっとは学ぼうよ。



そのためにガッコウってあるんだよ。



まぁ別にいいんだけどさ。